忘れていた言葉の力。water water camelに感じた感動

   

waterwatercamel

抽象的な音楽を聴いてばかりで、「歌詞」の存在意義を見失っていないだろうか。

このサイトでたびたび取り上げるエレクトロニカやアンビエントといったジャンル、歌詞を主としないだけに、各個人の美意識や想像力に頼る部分が凄く大きい。

僕はそれがすごく心地いいし大好きなのだが、たまには具体的な言葉にハッとさせられることもある。

water water camelはまさに言の葉を上手く伝えることのできるバンドだ。

人生の一場面を想起させる歌

潮騒が聞こえるかい おめでとう ここで君は いつまでもいつまでも 大笑いして暮らすのさ

by 海沿いの家

「海沿いの家」という歌詞の冒頭。

結婚生活がまさに今始まろうとしている祝福の歌。

歌詞の素晴らしいところは、こういった具体的なことを音楽にできるとこだよなぁ。忘れるところだった。

 

メタモンみたいな声

そして僕は至極、こういった声色が好きだ

やわらかくていい意味で癖のない声。number0やくるりに通ずるところがあると思う。

どんな風景、どんな伴奏(激しいロックじゃなければ)にも溶け込み、人の美化された思い出に変幻自在に変身できるメタモンみたいな声。フォークトロニカやアシッドフォークに多い。羨ましい限りだ。

しかも、こういった声の持ち主は歌い方がひねくれてないため、素直にストレートに歌詞が伝わってくる。メジャーでの有名な成功例がスピッツやくるりといったところか。

 

歌詞って素晴らしい

久しぶりに歌詞の重要性を思い出した。

素晴らしい なんて素晴らしい あなたの人生は さぁどうか話を続けて

by 想像をこえる日

感嘆符と単純な言葉だけで綴られた歌詞。なんというか、人に優しくしたくなる言葉だな。

 

そんな中、最近はwater water camelの存在意外にも、言葉の重みを感じる出来事があった。

あの頃の未来に僕らは立っているのかなぁ

全てが思うほど上手くはいかないみたいだ

バブル崩壊後の混沌気に輝き続けたSMAPの歌の数々は、時代を経ていろんな人の応援歌となっていた。

これを読んでいる人は特にSMAPに特別な思い入れがあることもないかもしれないが、久しぶりに彼らが歌ってきた言葉をなぞってみると、すごく素晴らしいではないか。

スガシカオが締め切りギリギリに切羽詰まって書き上げた夜空ノムコウの歌詞は、冬の空気感と時間の流れを真空パックにしたなんとも濃い内容だ。

誰もがこの歌詞に何か思い当たる節があるように、うまくぼやかしつつも「人生」の核心を突くような切なさがこみ上げる。おやおや、なんか泣きそうになってきたぞ?

 

「時間」がキーワードになっている同曲、大人になると余計に沁みる。

 

世界の混沌を映す

世界の情勢が著しく変更する時代を皮肉るようなSMAPの解散。

夜空ノムコウにはもう明日も待っていない子供たち。

歌詞は時代の産物だ。これからの日本にこそSMAPは居てほしかった、残念でならない。

でも、このサイトを見ているような人なら、信条としている音楽もあるだろうし、よりどころに出来る素晴らしい歌詞もきっと知っているだろう。

 

それこそ、人生の一場面を彩るwater water camelのような音楽家を知って欲しい。

国民的なよりどころが一つ無くなってしまったが、より良い音楽は今もどこかで生まれているはずだ。

 - MUSIC