The fin.が他と違う理由

   

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先日、新作EPから、関根光才が監督した「Through The Deep」のMVが公開された。

廃遊園地に美少女とホームレスという異色なシチュエーションを捉えたフィルムの質感漂う映像は狂気を孕んでいて、そこにリバーブの強いThe fin.の音楽が、絶妙なアンマッチを醸し出していてなんだかみとれてしまう。そんなMVだった。

The fin.は、ファルセットを多用した歌に、リバーブのギター、シンセサウンドと、最近流行りのオシャレなシンセインディーポップの一端と認識されている印象を受ける。

僕が正直なところそのムーブメントが苦手だ。あざといオシャレさに加え、あまりに音が軽すぎるからだ。かといってロックバンドにはさらに興味がないが・・・

しかしThe fin.は昔から好きで、ライブにも足を運ぶほどだ。

僕の中で、彼らは何が違うのか。個人の好みと言われればおしまいだが、自分なりに考えてみた。

圧倒的なボーカルの印象

The fin.を聴いてまず感じるのは声の美しさ。

Youth Lagoonを彷彿させるような絶妙にローファイなリバーブの効いたUchinoのボーカルは、スッと入り込んでくる良さがある。

最近のシンセポップは、バンドの中の雰囲気を殺さないボーカルとしての役割を感じるが、fin.の場合は、ボーカルがあってこそ、肉付けとしてのバンドサウンドといった感じ。

ボーカルで決まるというジャンルの音楽ではないが、彼のボーカルは圧倒的な存在感を放っている。

個人的に、京都メトロのLondon Callingというイベントに通っていたというUchinoのセンスフルな過去には嫉妬すら感じる。(今は知らないが)

そんな懐の広い音楽遍歴を租借した人が作る音楽がこれなら文句ない。

The fin.はノスタルジックだ

僕の中で他のバンドとThe fin.が決定的に違うところは、彼らの音楽にとてもノスタルジーを感じるところだ。

メジャーセブンスコードを垂れ流して小気味よいステップを誘うだけではないのだ。

The fin.はちょっと寒い地帯の雰囲気がある。

声には北欧感もあり、サウンドにはアイルランドが見え隠れする。

(僕も寒いところが好きだし、波長が合うだけかもしれない)

でも、彼らの音楽はたしかに、他のバンドにはない暖かさを感じてしまう。

ベッドルームドリームポップのようなサウンドは4人で生で出す音の範疇を超えており、それは明らかに他のバンドと一線を画している。

そのまま偉大になってほしい

海外でも積極的にツアーを回り、上々の評価を受けている彼ら。

このままバンドシーンにおいて海外と日本の橋渡し的な存在であり続けて欲しい。

最後になるが、Uchinoが使っている、ドイツの高級シンセサイザー、Waldorfがカッコいいことも含め、まだまだチェックし続けていきたい。

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