日本のポストロックの至宝、number0というバンド

   

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日本のポストロック界に、number0というバンドがいた。

知名度は決して高くない。しかし、あのクオリティを誇るバンドは、しばらく出てこないんじゃないかと思う。

残念ながら活動休止中だが、そのくらい繊細で美しい音楽だった。

初春のような音楽

彼らは2枚のフルアルバムをリリースしている。

そもどちらもが、春の訪れを告げるような初々しい曲で始まる。

1枚目のclome。春を告げるcycloramaから、回想するように冬の景色を巡らせる曲たちが印象的だ。

リードトラックのquineの完成度は最高で、つくづく音楽が情感的な景色を見せてくれることを痛感出来る。

number0はシガー・ロスやmogwaiなど、壮大で美しい系統のポストロックの流れを継承するバンドである。

でもどこかミニマルをも持ち合わせており、そのバランス感覚に唸らされる。

盛り上がって欲しい時に、品のある盛り上がりを見せる。これが気持ちいい秘訣だろうか。

Rallye Labelの先駆け

今や、Lucky TapesやYeYe、 oto factoryなど、インディーロックやシンセポップシーンで頭一つ抜けた存在になっている金沢のRallye。

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number0はRallyeに所属している。

もとは宮内優里やnumber0に代表される、エレクトロニカやフォークトロニカのレーベルという印象だった。

僕は今の流れはあまり好きではないが、国内きってのセンス溢れるアーティストが集まるのが金沢という地方都市であることはすごく好感が持てる。

僕は育った環境が一番音楽に影響を与えると思っている。

number0のような美しい音を奏でるバンドは、地方からしか出得ない気がしている。

そこで大きな存在になるのは、Rallyeのような地方に拠点を置くレーベルなのだ。

映像を映せる音楽

number0の話に戻そう。

先ほども述べた通り、彼らは“美”を継承するバンドだ。

目を瞑って聴くと、そこには誰しもの脳裏に、それぞれのノスタルジックな景色が広がる。

こんなバンド、他にいたら教えて欲しいくらいだ。

何度も言うが、number0は繊細だ。

彼らに見せられる映像も、人それぞれ、時それぞれ。

誰かには壮大な景色が、また誰かには海辺のさわやかな景色が映ることだろう。

ちなみに僕はというと、幼少の頃の懐かしい景色だったりする。

消費社会に疲れてるのか知らないが、ひどくセンチメンタルになってしまう。

でもVo吉津の声が、少しだけ背中を押してくれるようだ。

彼らの代表曲「Returning」の歌詞にあるように、「子供の時と変わらないやり方でいいんだよ」と、優しく肯定されてる気になれる。

 

number0

吉津卓保、小林良穂、藤井保文、青葉聡希の 4人組。2006年、Rallye Label より 6曲入りの デビューEP「sero」をリリース。2010年には 1stアルバム「chroma」をリリース。同年レーベルメイトである宮内優里、Morr Music の Guther の 3組で全国ツアーを行い、その後イギリスの人気バンド、Kyte の全国ツアーにもオープニング・アクトとして参加。海外のバンドともリンクする高い音楽性、楽器に縛られない自由なアレンジとパフォーマンス、映像を使ったステージ演出が各地で高い評価を獲得。また、リミキサーとしても Zaza(US) や Three Trapped Tigers(UK) といった海外バンドのリミックスを手掛ける他、ファッション・ブランド support surface の東京コレクションでもパフォーマンスを披露し、多方面でその才能を発揮している。2012年3月には、プロデュースに堀江博久氏 (pupa/the HIATUS)、エンジニアに美濃隆章氏 (toe) を迎えた新曲 RETURNING を含む 4曲入り EP をリリース。ポストロックの枠を大きく超えたそのサウンドと、ナカコー (iLL/LAMA) や Spangle call Lilli line といった豪華アーティストによるリミックスが大きな話題を集め、限定 500 枚の同作は完売。大きな期待が集まる中、同年4月に待望の 2ndアルバム PARALLEL/SERIAL をリリースした。

 

 

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