Chihei Hatakeyamaの狂気と美しさは言葉を超越する

   

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前回のsleeplandからWhite Paddy Mountainつながりでこのミュージシャンも。

White Paddy Mountainレーベル、そしてマスタリング・録音エンジニアなど幅広く活躍する美しいアンビエント・ドローン作品群で知られるアーティスト、 Chihei Hatakeyama

くぐもったローファイな質感は真っ白な冬景色を連想させてくれる。

 

デビュー10周年

2016年は坂本龍一主催のイベント『健康音楽』やTAICOCLUB 2016にも出演するなど、しっかりとアンビエントシーンを牽引している。

そしてこの7月にリリースされたばかりの10周年を飾るアルバム「Grace」は、集大成とも言える壮厳で神秘的な作品だ。

ギターのフィードバックで構成されており、一切の無駄を取り払ったこの作品、情報過多な現代を揶揄しているようにも感じた。

 

狂気と神聖

彼の音楽を聴くといつも、彼の神聖な域に招待されるような気分になる。

この「神聖」は「狂気」と表裏一体で、聴く場所、心情が違うだけでものすごく狂気を感じるのだ。

そして狂気を含んだ音楽は、間違いなく「美しい」。

たぶんこれが最近のロックに美しさを感じない所以だと思う。

この狂気や美しさは、やっぱり歌として言葉で説明しようとすると一気に陳腐なものになってしまうのだ。

シガーロスが何語でもない創造言語「ホープランド語」で歌おうとしたのはこの辺の微妙な感覚が起因しているんじゃなかろうか。

美しい音楽に説明は蛇足になるのだ。

歌を入れた成功例はもののけ姫くらいじゃないかな。

 

言葉を超越する

例えばこんな美しい雪景色に、どんな言葉が合うか。

いらないだろ。

たぶん隣で「きれいだ」「好きだ」なんて言われてもうるさいとしか思わない。

アンビエントってきっとそういうものだと思う。

人の感情を包み込む音。その人に聴こえているその時、その場所の音全てを含んでの音楽。

決して作った曲だけでは完成されない音楽。

そこにはやっぱり言葉の説明は蛇足なんだよ。

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